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米外交と政権内分裂の終わり
―― 予測可能な外交と不安定化する秩序

トマス・ライト ブルッキングス研究所 米欧センター所長

Trump’s Foreign Policy Is No Longer Unpredictable: Gone Are the Days of a Divided Administration

Thomas Wright ブルッキングス研究所の米欧センター所長。同研究所の国際秩序・戦略プロジェクト・シニアフェローも務める。

2019年3月号掲載論文

トランプ政権が予測不能とみなされるのは、彼のビジョンではなく、「大統領」と「国家安全保障エリート」が政策をめぐって闘いを繰り広げてきたためだ。しかし、いまや外交チームは大統領の考えを中心にまとまりをみせ、「トランプ政権の外交政策」を特定できる環境にある。取引を重視する外国との限定的な関係、民主国家よりも権威主義国家を好ましくみなす態度、重商主義的な国際経済政策、人権と法の支配の軽視、多国間協調主義を犠牲にしたナショナリズムと単独行動主義路線。これらが、現在の米外交政策を規定している。皮肉にも、アメリカの外交政策がより一体化され、予測可能になったことで、アメリカの影響力は弱まり、国際秩序が不安定化する恐れがある。政策的に統一されたトランプ外交が世界に衝撃を与える時期が始まろうとしている。

  • 政権の一体化
  • トランプ政権内の亀裂
  • 二つのフェーズ
  • 一体化した外交政策
  • これから待ち受けているもの

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